「リスブラン」


リスブランが好きだった
学校横の白い建物
あそこの窓辺から
いつもこちらを見る少女
僕が彼女を見たというと
学校中誰も信じなかったけど
僕は彼女に恋をしてた

リスブランを相談室として
開放した時期があった
僕はいつも行くんだけれど
全ての部屋を探して見ても
なぜか君はいなくって

視聴覚室の窓からは
君がこちらを見てるのに
君が立つ窓辺には
いつも誰もいなくて
白いカーテンだけがただそこにあり
下の部屋では
英語の先生が生徒達に数学を教える声がきこえる

「もう戻ろうよ」とちぃちゃんに呼ばれて
「うん」とただこたえて下へいくけれど
ほんとうは君がそこにいる気がしてた

戻る